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受け入れてもらえなかった2人

昨晩、Entourageを見ていたら、エンディングに使われた曲に心奪われました。泣く子も黙る、あの名曲Hotel CaliforniaのGipsy Kingsによるカバーです。

カバーバージョンなのに、何とも哀愁漂う一曲。この歌って、すごいですよね…だって出だしから最後まで切ないストーリーが描けちゃうんですよ。そういう曲ってそんなにないのでは…。


さて、話は変わりますが。国際結婚をされている皆さん、婚約・結婚の旨を両親に伝えた時から受け入れてもらえましたでしょうか?私たちと両親は結婚式を機に、ず~っと雪山どころか氷山だった山に、雪解けの兆しが見えました。

ちょうど4年前に、米Bの存在を伝えました。父は受け入れてくれましたが、それはあくまでも表面上のこと。それまでは用事がなくても暇さえあれば、ひっきりなしに電話をかけてきた父が、それを境に電話の数がめっきり減りました。

その後、2人でタイに行った時に、両親に会ってもらいたいと伝えるものの、会う前から母は激しく泣き、会ってはくれたものの、何とも言えない雰囲気…。私は明るく務めたものの、先行き不安な思いでいっぱいでした。私はその後日本に帰国したものの、それを境に父からの電話は減るどころか、一本もありませんでした

両親ともに米Bのことを聞いてくることもなく、それについては一切触れることもなく…しまいにはちょとしたことをきっかけに、私と両親の関係も完全に冷え切り…。
米Bパパママは、両手を広げて温かく迎え入れてくれたのに、うちは全く逆…。米Bにもパパママにも申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、その状況を全く改善できない自分自身が、これまた切なくて…でも、米Bは「時間かかるけど、僕は大丈夫だよ。その時が来るのを待とうよ」と、何ともポジティブな姿勢でいてくれました。

私の両親は、海外での生活が驚くほど長いです。そしてそれだけたくさんの国際結婚をしたカップルも見ています。でも残念なことに、その多くが長い年月を共にしているにも関わらず上手くいっていないとのこと。そして日本を離れた方が、どれだけ寂しい思いを後々するかということも話してくれました。その他、う~んとネガティブなこともたくさん聞かされました。でも、私も親になって、両親と同じ立場になったら、この気持ちが解かるのかもしれないですね。もしこの子の選択する道の先に、悲しい出来事が待っている可能性があるのなら、その出来事には遭ってほしくないという、親としての愛情のひとつなのかもしれません。

その後いくつかの山谷がありましたが、こんな風に受け入れてもらえない年月を経た私たち、先月やっとこさ結婚式を挙げました。

両親のP-town滞在期間は本当に短かったのですが、両親のいる間は、すべて彼らとの時間に費やしました。今回の滞在中に、米Bは初めて私の両親を「お父さん、お母さん」と日本語で呼んだのですが、そう呼ばれる度に、私の両親は何とも嬉しそうな顔をしていました。両親も私たちのために、日本からたくさんのお土産を持ってきてくれて、お願していないものまで「これは米Bに合うと思うよ」なんて、洋服なんかも持ってきてくれて…。

結婚式では両親へのサプライズとして、米Bが日本語でのスピーチを用意していました。彼の書いた英文を、日本語に訳したのですが、普通の簡単な訳ではなく、日本人がきちんとした場で使う表現訳をあえてしました。「お父さんとお母さんに失礼のないようにしなくっちゃ…」と式直前まで一生懸命練習していた米B。

両親に全く受け入れてもらえない時期があったというのに、この人は本当にいつも諦めずに、でも両親には常に敬意を払う姿勢でいてくれたことを思い返しました。彼は決して口にしたことはありませんが、悲しい気持ちでいたことは確かだと思います。もし逆だったら、私はとっくに滅入っているような気がします…(笑)。

さて、米Bの日本語によるスピーチですが、最初の一文を読み終えたところで、私の父はひとり大きな拍手をしました。何とも全体の空気を全く読まない拍手でしたが、私はその拍手がとても心に沁みました。父も笑いながら拍手をしていましたが、とっても嬉しかったのではないかと思います。「my son」と父も口にしていたのを聞いて、今まで肩に圧し掛かっていたものが一気に軽くなりました。


今では両親の方から電話口で米Bのことを聞いてくるようになりましたし、電話を切る際には「よろしく伝えてね」の一言もあります。そして留守電には英語でメッセージが残されていたりすることも…。

私は、好きな人をいつも両親に紹介するという子ではありませんでした。ある日突然、真剣に男性を紹介する形となったのですが、両親は免疫が全くなかったのも事実です。同じ国・地域の人と結婚したって問題はあるのに、それがましてや外国人。表面では受け入れても、心はそうはいかなかったのだと思います。

でも、あれから4年が経ち、完全にマイナスから始まった私たちと両親の関係、やっと今スタート地点に立つことができたように思います。どんなことがあっても、子どもの選択した道を最後は受け入れ・サポートできるのが親なのかもしれないですね。そんなことを考えるとどうしても目頭が熱くなってしまいます。

結婚式はしなくてもいい派だった私。式直前には「もぉ~結婚式なんてぇ~キャンセルしたっていいわよぉ~ッ」って発狂もした私。結婚式を常に「家族・友達」という視点からのみ捉えていた米B。
結婚式してよかったな♪
と今は心から思っています。
by soiallie | 2009-09-19 19:07 | ♪ 米B・ベイビーのコト ♪

バンコクで15年も排気ガスまみれの生活をしたけど、未だ超健康優良人。タイと日本の大学→民間企業→米国大学院→NPO勤務→現在は旦那の米BとジュニアとワシントンDCで生活中。☆DCでの仕事+育児奮闘記ブログ☆


by soiallie
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